ヴェルディ作曲 歌劇「アイーダ」より凱旋行進曲

Giuseppe Verdi 1813-1901


オペラの生まれた国、イタリア。

ヴェルディは、そのイタリアで、生涯を通じてオペラを作り続けた人である。

人気作曲家ロッシーニによって、当時のイタリアは空前のオペラブームが巻き起こっていた。

作曲家にとって、狙い目のジャンルだったのだろう。

また、オペラ以外の曲はあまり聞く機会が少ないが、「レクイエム」は有名。

同級生には、ワーグナーがいる。19世紀のオペラ界を代表する二人だが、意外なことに、死ぬまで一度も顔を合わせることはなかった。

小さい頃、生まれ育った村の教会のオルガニストに音楽の手ほどきを受けた。音楽院に入学しようと試みるも、ピアノがあまりうまくなくて受験に失敗してしまう。その後、熱心に個人レッスンを重ね、教会での職を得た。そして当時、彼を支援していた人の娘と結婚する。

このカップルには二人の子供が生まれたが、いずれも二歳になる前に病死、さらに不幸にも1840年に妻も亡くなり、ヴェルディは悲しみのどん底に突き落とされた。皮肉なことに、そういった人間の強く深い感情は音楽にも影響する。そうした絶望を知っていたからこそ、彼のオペラの登場人物の深い悲しみが私たちの胸に迫るのだろう。

87歳という長生きをしたヴェルディは、晩年に私財を投じてミラノに引退した音楽家のための養老院「カーサ・ディ・リポーゾ」を建て、それは彼の28作のオペラとともに後世への最大の遺産となった。

 

『凱旋行進曲』は、歌劇「アイーダ」の劇中歌。 エチオピア軍に勝利したエジプト軍のラダメス将軍が軍勢を率いて凱旋するシーン(第2幕)で登場する。

テーマを演奏するトランペットは、「アイーダトランペット」。この曲を演奏するために作られたもの。

あらすじ

舞台は古代エジプト。エジプトの将軍ラダメスは、女王アムネリスの侍女アイーダと人知れず愛し合う仲だ。実はアイーダは、エジプトと敵対するエチオピアの王女だったが、自分の身分を彼には隠していた。 エチオピア軍との戦いに勝利し、凱旋帰国したラダメス。ある日エジプト王は、女王アムネリスと結婚するように命じる。 自分を犠牲にしてアイーダ父娘を逃がしたラダメス エジプトとの戦いで捕虜になった者の中にはアイーダの父親もいた。アイーダは、その父から命じられ、ラダメスからエジプト軍の機密情報を聞き出そうとするが、アムネリスに察知されてしまう。将軍ラダメスは、アイーダ父娘を逃がし、自分は捕らえられてしまう。 捕らえられたラダメスに対し、女王アムネリスは「自分を愛しているのなら助ける」と提案するが、アイーダを愛していた彼はこれを拒絶。ラダメスは、国家に仇なした罪として、生きながらにして地下牢に埋められる刑を下されてしまう。 逃がしたはずのアイーダが・・・永遠に結ばれた二人 牢の中で一人アイーダを想い続けるラダメス。するとそこに人の気配が。何とそこに居たのはアイーダ。彼女は刑の前に牢の中へ自ら入り身を潜めていたのだった。誰も邪魔の入らない穏やかな天上の世界で、二人は永遠に結ばれたのだった。



行進曲(マーチ)は、もともと軍隊の規律を整えるために活用された音楽。

リズムに合わせて足並みをそろえて行進すれば、とても強そうな印象を与えることができる。

音楽は、敵に対して脅威を感じさせたり、味方を鼓舞したりするのにも使われていたということだ。

ちなみに、マーチは大体の曲が♩=120くらい(秒針の倍の速さ)のテンポで演奏される。これは、人が歩くのにちょうど良い速さだからと言われている。

緊張感のある弦楽器によるイントロと、トランペットの華々しい音色そしてキレのあるリズムが、戦いに勝利した勇者たちの、勇ましさを表現している。


そうだ、オペラ観に行こう。

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